医療コラム　

“業績評価指標”は、BSCにおいて戦略目標を達成するための具体的なものさしとなるものです。

“KPI（Key Performance Indicators）”とも呼ばれるもので、財務、顧客、業務プロセス、学習・成長という4つの視点でそれぞれ設定します。

ここからは、各視点で設定する業績評価指標の具体例を見ていきたいと思います。

財務の視点で見る業績評価指標の例

クリニックが財務的な目標達成のため、ステークホルダー（利害関係者）に対し、どのような行動を取るべきなのかを明確にするには、以下のような業績評価指標を設定する必要があります。

・純利益

・キャッシュフロー

・総売上高

・1㎡あたりの売上

・売上高に占める製品収益

・従業員1人あたりの経費 など

顧客の視点で見る業績評価指標の例

クリニックは、継続的に顧客（患者）に通院してもらうことで、財務目標を達成することができます。

そのために、顧客に対して取るべき行動について、以下のような業績評価指標を設定することで可視化しなければいけません。

・信頼性

・再診患者数

・電話応答時間

・クレーム処理時間

・ロイヤリティー指標

・患者紹介数

・関連商品、サービスの売上高 など

業務プロセスの視点で見る業績評価指標の例

クリニックにおける業務プロセスは、以下に3つで構成されています。

また、クリニックは業務プロセスの効率化や課題の解決により、患者満足度や市場占有率の向上、財務目標の達成を目指す必要があります。

そのために必要な業績評価指標としては、主に以下のようなものが挙げられます。

・電話のアクセス性

・IT経費率

・従業員1人あたりの売上

・生産性向上率 など

学習・成長の視点で見る業績評価指標の例

中長期的な視点に立ち、どのように組織としてクリニック内を活性化させるか、またはどのように人材を育てるのかを可視化するためには、以下のような業績評価指標の設定が必要です。

・リーダシップ指標

・モチベーション指標

・従業員数

・資格取得数

・従業員1人あたりの研修費用

・従業員平均年齢

・平均欠勤率

・入社希望者数

・社員定着率

・従業員満足度 など

まとめ

ここまで、クリニックがBSCにおいて設定すべき業績評価指標について、4つの視点から解説してきましたが、いかがでしたでしょうか？

業績評価指標が適切なものでなければ、クリニックの戦略目標がどれくらい達成できているのか、戦略目標における優れた点、問題点はどこなのかを把握できないため、設定は慎重に行わなければいけません。

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