医療コラム　

クリニックのBSC（バランススコアカード）は、細かい数字や必要な行動を適切に設定することで成り立つものです。

少しでもバランスが崩れると、正常に機能しない場合があります。

今回は、重要成功要因や業績評価指標の設定とあわせて行うべき“数値目標”の設定と“アクションプラン”の作成について解説したいと思います。

数値目標の設定について

クリニックは、業績評価指標（KPI）を設定した上で、さらに具体的な数値目標を設定します。

こちらは“ターゲット設定”とも呼ばれる作業であり、例えば患者定着率であれば90%以上、医療機器のリースコストであれば20%ダウンといったように、各業績評価指標に具体的な数値をはめ込みます。

また、ターゲット設定では、将来のビジョンや戦略を実現するための具体的な数値目標が必要なため、チャレンジ精神のある数値を設定することが大切です。

言い換えると、初めから達成しやすい数値目標を設定し、それさえクリアすれば良いという組織風土、社風、雰囲気にならないように注意すべきだということになります。

ちなみに、クリニックの院長先生は、従業員が数値目標を達成した場合に、満足感あるいは達成感が実感できる仕組みを作らなければいけません。

アクションプランの作成について

クリニックのBSCにおけるアクションプランは、誰が・いつまでに・何を・どうやってするといった具合に、具体的なレベルにまで明確にしなければいけません。

このように作成したアクションプランは、PDCAを確実にし、戦略および戦略目標を実現させることができます。

また、アクションプランの作成では、既存の経営管理プロジェクトと協調し、年度予算や中期計画などの経営計画とも整合性を取ることが大切です。

例えば、顧客（患者）の視点で見る重要成功要因、業績評価指標を実現する場合、以下のようなアクションプランの作成が予想されます。

・経済性を追求する患者と贅沢志向の患者を区分し、両者の需要を徹底的に追求する

そして、学習・成長の視点で見る重要成功要因、業績評価指標の実現を目指すのであれば、以下のようなアクションプラン作成が必要になります。

・働きがいのある職場づくりと、成果に基づく報酬体系を整備し、インセンティブを強化する

まとめ

ここまで、クリニックのBSCにおける数値目標の設定、アクションプランの作成について解説しましたが、いかがでしたか？

これらは決して簡単な作業ではなく、なおかつ具体的な数値や行動を設定するものであるため、焦らず慎重に進めていくことが重要です。

もちろん、なかなか数値目標やアクションプランが定まらないというクリニックは、専門家の力を借りることも検討しましょう。

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